
ノンフィクションライター
永宮 和
●書籍執筆
『バンコクの名門オリエンタルホテル物語』(彩流社)
1887年に創業したタイ・バンコクの名門ホテル「オリエンタルホテル 」(のちのジ・オリエンタル・バンコク、現在のマンダリン・オリエンタル・バンコク)。名門ホテルでありつづけるホテルの歴史と時代背景をひもときながら、その経営・運営に関わった人々の物語を描くノンフィクション。あまり知られていないが、その顔ぶれは驚くほど多彩でユニーク。デンマーク人実業家(ホテル創業者)、ミュージカル「王様と私」のモデルであるアンナ・レオオノウエンズの息子のルイス・レオノウエンズ(二代目経営者)、戦時中に運営を担った帝国ホテルの派遣社員たち、タイシルク王と呼ばれたジム・トンプソン(戦後の共同経営者)、女性芸術写真家だったジェルメーヌ・クルル(同)といった顔ぶれだ。

『ホテルオークラに思いを託 した男たち』
(日本能率協会マネジメントセンター)
終戦直後のGHQによる財閥解体・公職追放によって、帝国ホテル社長の座を追われた大倉喜七郎(大倉財閥二代目総帥)。彼が終生の事業として開設に挑んだのがホテルオークラだった。「帝国ホテルに追いつき、追い越せ」のスローガンのもと、経営を託された野田岩次郎(初代社長)は、大倉の期待に応えて新ホテルを世界トップクラスのレベルに育てあげる。本書は、その苦闘の過程を追った企業ノンフィクション。

『帝国ホテルと日本の近代』(原書房)
外相井上馨と渋沢栄一の折衝にはじまる初代帝国ホテルの誕生経緯、波瀾つづきの明治期の経営、これまた波瀾の連続だったフランク・ロイド・ライトによる二代目本館誕生の経緯、大戦の時代の運営、ライト館の終焉などなど――。帝国ホテルの近代史を振り返るエピソード集。

『「築地ホテル館」物語』(原書房)

まもなく江戸が東京となり、元号が明治に改元される慶応4年8月。築地に日本初の本格的ホテル「築地ホテル館」が出現した。維新の騒擾のなか幕府の建設者募集に応じた、清水喜助(清水建設創業二代目)による一世一代の大事業だった。「変革の世だからこそ新しいものに挑む意義がある。だれもつくったことのないようなものに挑戦する」。喜助の挑戦と苦闘のあとを追う歴史ノンフィクション。ホテル建設のものがたりに加え、これにからんだ外交、交易、殖産興業に活躍した群像をも描く。
●書籍の部分執筆
『老舗ホテルの上手な使い方』(ポケットサライ・小学館)
『噂のホテル・知られざる物語』(洋泉社ムック)
●雑誌・新聞媒体での執筆活動
『太陽』(平凡社)「呪われた王の物語~ポルトガルの世界遺産・シントラとテルセイラ島」